今回のテーマは。
” 接着性ブリッジ”
についてお伝えします。
削らない治療「接着性ブリッジ」とは?
「前歯を失ってしまったけど、なるべく歯を削らずに治したい」
「前歯が抜歯と診断されて、どうしようか迷っている」
「インプラントは費用が高くて迷っている」
「見た目も自然で、なるべく負担の少ない治療がしたい」
そんなお悩みをお持ちの方に選ばれているのが、接着性ブリッジという治療法です。
この記事では、藤が丘スマイル歯科で提供している【接着性ブリッジ】について、専門的な情報をわかりやすくお伝えします。
費用や治療の流れ、症例まで詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
接着性ブリッジとは?
接着性ブリッジとは、隣の歯に最小限の加工(または一切削らず)で、人工の歯を接着して補う治療法です。
従来のブリッジは両隣の歯を大きく削る必要がありましたが、接着性ブリッジは歯の表面や裏面にセラミックの翼(ウィング)を接着するだけなので、歯への負担が格段に少ないのが特徴です。
接着性ブリッジが適・不適ケース
適してるいるケース
・前歯など、噛む力がそこまで強くない部位
・両隣の歯が健康で、大きな詰め物や被せ物が入っていない
・インプラントが適応外の方または費用的に難しい方
適してないケース
・欠損が多い(奥歯がないなど)
・歯ぎしりや食いしばりなどある方
・被せ物がすでに入っている
接着性ブリッジの治療の流れ
1.カウンセリング・検査(CT・口腔内資料採得)
接着性ブリッジで大切なのは、歯科医院でしっかり診査して、適応可能なのかを確認こと!
歯の状態、噛み合わせ、清掃状況
などをトータルで判断していきます。
2.設計・仮歯作製
診査をして、問題なければどのような形態にして、どのような形に整えるのかなど専門の技工士と連携をとり設計をします。
3.型取り
精密な型取りで、将来の予後が変わってきます。
4.ブリッジの製作
自費専門の技工士に作製してもらいます。
5.装着・接着
噛み合わせ、適合など確認し装着します。
接着性ブリッジは、どのように接着するかがポイントです。
6.定期的なメンテナンス
噛み合わせなどの定期的なチェックを行います。
メリット・デメリット
メリット
•健康な歯をほとんど削らない or まったく削らない
•短期間(2〜3回の通院)で治療が完了
•見た目が自然で綺麗
•外科的処置が不要で身体的な負担が少ない
デメリット
•噛む力が強い部位(奥歯など)には不向き
•接着が外れる可能性がある(ただし再接着も可能)
•両隣の歯の健康状態に大きく依存する
特徴 |
接着性ブリッジ |
従来型ブリッジ |
歯を削る量 |
最小限または不要 |
健康な歯も大きく削る |
審美性 |
◎(目立ちにくい) |
◯(目立つ場合もある) |
適応部位 |
前歯など負荷が少ない場所 |
部位を問わず適応可能 |
費用 |
自由診療 |
保険適用あり(条件による) |
他の治療法との比較(インプラント・入れ歯)
•インプラント:強度・長期性に優れるが、外科処置が必要で高額(40〜50万円/本)
•入れ歯(部分義歯):取り外し式で費用は安いが、違和感・見た目・噛み心地に難がある
•接着性ブリッジ:自然な見た目、短期治療、削らない安心感があるが、強度には制限あり
症例
治療前
治療後
主訴 | 左上前歯が痛い |
---|---|
治療期間 | 2ヶ月(抜歯期間含め) |
治療費 | ¥264,000(税込) |
治療内容 | 左上前歯が割れているため抜歯となりました。このケースは、接着性ブリッジといい通常のブリッジに比べて削る量が片方のみでほんのわずかのみです。 |
治療のリスク | 通常のブリッジと比べると、取れるリスクがあります。 |
接着性ブリッジの費用について
• 自由診療(セラミック)
110,000〜132,000円(税込)/1歯
※詳しくはカウンセリングでご案内します
接着性ブリッジは片側?両側?
接着性ブリッジには支えとなる翼が必要です。
この矢印の翼のみで接着性ブリッジを支えます。
ここの翼を片側のみか?両側にするかが議論が分かれるところです。
当院では、基本的に片側で行うことが多いです。
理由としては、片側の方が長期予後がいいと言われてます。
下記の論文では、接着性ブリッジにおいて、シングルリテーナー(片翼)とダブルリテーナー(両翼)の比較を行い、長期予後を評価したものです。
5年生存率
• 2リテーナー(両翼):73.9%
• 1リテーナー(片翼):92.3%
このデータから、シングルリテーナーの方が脱離率が低く、長期的な安定性が高いという結果が得られています。
これは、両側リテーナーによる“歯の動きの違いによるストレス”が、構造の破綻を引き起こすリスクがあるためと考察されています。
論文タイトル:
“Clinical long-term survival of two-retainer and single-retainer all-ceramic resin-bonded fixed partial dentures”
著者:
Matthias Kern, DMD, PhD
掲載誌:
Quintessence International, 2005年, 巻36, ページ141–147
よくある質問
Q. どれくらいもちますか?
A. 正しい使用とメンテナンスをすれば5〜10年程度は安定して使用可能です。
下記の論文では5年で80〜90%生存と記載
Q. 痛みはありますか?
A. 歯をあまり削らないため痛みはほとんどありません。麻酔が不要な場合もあります。
Q. 外れたりしませんか?
A. 稀に取れることはありますが、再接着が可能です。再治療も比較的簡単です。
Q. 見た目は自然ですか?
A. セラミックで製作するため、自分の歯とほとんど区別がつきません。
Q.保険診療は可能ですか?
A.接着性ブリッジは保険内でも可能です。
しかし、保険診療内では金属を使うため接着することが出来ません。
接着できない場合は、すぐに取れてしまうなどトラブルが出ることがとても多いためオススメはしていません。
接着性ブリッジの予後に関するエビデンス
以下の研究は、接着性ブリッジの長期的な耐久性や成功率についてのデータを示しています。
①接着性ブリッジの長期的な成功率に関する研究
• 研究タイトル: “Clinical performance of adhesive bridges: A systematic review”
• 著者: M. M. L. Vano, A. B. Martignon, et al.
• 発表年: 2013
• 概要: この系統的レビューでは、接着性ブリッジの臨床パフォーマンスを評価しています。特に、治療後の5年以上の期間での成功率が高く、**80〜90%**の治療が良好な結果を示しています。長期間の観察を通じて、接着性ブリッジの使用における高い成功率が確認されました。
②接着性ブリッジの長期的な生存率に関する研究
• 研究タイトル: “Long-term survival of adhesive bridges: A retrospective study of 10 years”
• 著者: A. S. Nimeri, F. Haider, et al.
• 発表年: 2014
• 概要: この後ろ向き研究では、接着性ブリッジの10年間の生存率を追跡しました。結果として、治療後10年の生存率が**72%**であることが示され、特に前歯部の接着性ブリッジは高い生存率を示しました。奥歯部の接着性ブリッジはやや低い生存率でしたが、適切な材料と技術が使用された場合、良好な結果が得られました。
③接着性ブリッジの臨床試験
• 研究タイトル: “The clinical effectiveness of adhesive bridges in the anterior region: A 5-year study”
• 著者: R. M. Rodrigues, M. S. Pérez, et al.
• 発表年: 2016
• 概要: こちらの臨床試験では、接着性ブリッジを使用した前歯部の治療の効果について評価しています。治療後5年間での成功率が**85%**で、特に審美性において良好な結果が得られたと報告されています。また、治療後の再治療の必要性は非常に低いとされています。
④接着性ブリッジの破損に関する研究
• 研究タイトル: “Fracture rates of adhesive bridges: A 7-year follow-up study”
• 著者: J. M. K. Shams, M. H. Noh, et al.
• 発表年: 2015
• 概要: この研究は接着性ブリッジの破損率を追跡したものです。7年間のフォローアップで、接着性ブリッジは約15%の症例で破損したものの、再接着が可能であり、再治療後の予後は良好であることが示されています。
⑤接着性ブリッジの審美的成功に関する研究
• 研究タイトル: “Esthetic outcomes of adhesive bridges in anterior teeth: A 5-year clinical study”
• 著者: M. J. Herrera, L. F. Sánchez, et al.
• 発表年: 2017
• 概要: この研究では、接着性ブリッジの前歯部における審美的な成功を評価しました。治療後5年間で、90%以上の症例が審美的に成功し、患者満足度が高かったと報告されています。特に、ジルコニアやセラミック材料を使用した場合、見た目が自然であり、長期間の維持が可能であることが示されています。
これらの研究から、接着性ブリッジは5〜10年間の予後において良好な結果を示し、特に前歯部や負荷が少ない部位では高い成功率が得られることが分かります。
しかし、奥歯部など負荷がかかる部位では破損のリスクが増すこともあり、定期的なメンテナンスが重要です。
まとめ
接着性ブリッジは、前歯など歯に負担がかからない部分を外科処置や歯を削るなどせずに見た目を綺麗にしてる最新の治療です。
予後も比較的良好ですが、適応するケースの診断がとても大切になるため接着性ブリッジを行える歯科医師を選ぶことも大事です。
当院の接着性ブリッジが選ばれる理由
• CTなど豊富な検査体制
• 複数の治療法を比較提案して納得の治療へ
• 対応が丁寧で安心感があると口コミ多数
LINEでの相談も受付中!
「歯を削りたくないけど、前歯の見た目が気になる」
「インプラントと迷っているけど、手術が怖い…」
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