今回のテーマは。
” 歯髄温存療法”
についてお伝えします。
【2025年最新版!!】
歯髄温存療法の成功率とエビデンス|根管治療を回避する最新治療とは?
目次
1.歯髄温存療法とは?
2.歯髄温存療法の種類と適応症
3.最新のエビデンスと成功率
4.メリット・デメリット(根管治療との比較)
5.どんな人におすすめか?
6.治療の流れ(診断→治療→経過観察)
7.学術的視点からの考察(最新研究の動向)
8.まとめ
1.歯髄温存療法とは?
歯髄温存療法(Vital Pulp Therapy: VPT) とは、むし歯や外傷による歯髄の炎症が軽度である場合に、歯髄(神経)を可能な限り残し、歯の寿命を延ばす治療法 です。
歯髄保存療法や歯の神経を残す治療とも言います。
従来であれば抜髄(神経を取る処置)が選択されていたケースでも、適切な診断と治療を行えば、歯髄を保存できる可能性があります。
特に、MTA(Mineral Trioxide Aggregate) の登場により、歯髄保存の成功率が向上しており、現在では多くの研究でその有効性が報告されています。
2.歯髄温存療法の種類と適応症
(1)直接覆髄法(Direct Pulp Capping)
• 適応症:ごく小さな露髄(神経の露出)があるが、炎症が軽度な場合
• 治療法:MTAやカルシウム水酸化物製剤を使用し、露髄部分を保護
(2)間接覆髄法(Indirect Pulp Capping)
• 適応症:象牙質の深部までむし歯が進行しているが、歯髄は露出していない場合
• 治療法:むし歯を除去し、歯髄を刺激しないような薬剤で覆う
(3)断髄法(Pulpotomy)
• 適応症:歯髄の一部に炎症があるが、根尖部の歯髄は健康な場合
• 治療法:炎症がある歯髄の一部を除去し、残った健康な歯髄を保護
3.最新のエビデンスと成功率
近年の研究では、MTAを使用した直接覆髄法および断髄法の成功率は**80〜95%**と報告されており、従来の水酸化カルシウム製剤よりも高い成功率を示すことが分かっています。
▼ 代表的な研究データ
• Bogen et al.(2020):「MTAを用いた直接覆髄の5年成功率は91.6%」
• Elmsmari et al.(2019, Systematic Review):「MTAの使用により、従来の材料よりも有意に高い成功率を示した」
• Taha & Khazali(2018):「バイオセラミック材料を用いた断髄法の成功率は89.6%」
これらのデータは、適切なケース選択と治療手技がなされれば、抜髄せずに歯髄を保存できる可能性が高いことを示しています。
4.メリット・デメリット(根管治療との比較)
メリット
- 歯の寿命を延ばすことができる
- 歯の強さを保ち、将来的に歯の健康度を保てる
- 割れにくい・病気になりにくい歯を維持できる
- 来院回数を減らすことができる
デメリット
- 自由診療になる
- 1回にかかる診療時間が長い
- 成功率が100%ではない
5.どんな人におすすめか?
歯髄温存療法が適しているケース
✅ むし歯が神経に近いが、強い痛みがない
✅ 歯髄の炎症が軽度で、X線で異常が見られない
✅ 神経を保存することで歯の寿命を延ばしたい
適応外となるケース
❌ 自発痛(何もしていないのに痛む)が強い場合
❌ X線で歯髄壊死や根尖病変が確認される場合
❌ すでに歯の一部が大きく破壊されている場合
6.治療の流れ(診断→治療→経過観察)
1.診断(X線・冷診テスト・電気診などを実施)
2.むし歯の除去・歯髄の状態確認
3.適切な材料(MTAなど)で覆髄・断髄
4.修復処置
5.定期的なフォローアップ
7. 学術的視点からの考察(最新研究の動向)
現在、バイオアクティブ材料(MTA、バイオセラミック) の開発が進み、従来の治療よりも高い成功率を示す治療法が確立されつつあります。
また、幹細胞研究 により、将来的には「自己再生可能な歯髄組織」の開発も進む可能性があり、今後の治療選択肢がさらに広がると考えられます。
8.症例
9. まとめ
歯髄温存療法は、神経を守ることで歯の寿命を延ばす画期的な治療法 ですが、適応条件の見極めが重要です。
「自分の歯が歯髄温存療法の適応かどうか知りたい」場合は、専門的な診断が不可欠 です。
まずは、お近くの歯科医院に相談してみましょう。
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